Power Platformとは?
Microsoftの4つのサービスの総称です。
Microsoft Power Platform とは、データの分析、ソリューションの構築、プロセスの自動化、仮想エージェントの作成などの課題をローコードで素早く解決するためのMicrosoftの4つのサービスの総称です。以下の4つのサービスが含まれます。
Microsoft Power Platformの4つのサービス
- Power Apps
- Power Automate
- Power Virtual Agent
- Power BI
4つのサービスの共通概念は「ローコードで問題解決が行えるため、ITエンジニアでなくても簡単に扱える」という点かなと思います。
(1)Power Appsとは?
Power Appsは、オリジナルのビジネスWebアプリケーションをローコードで即座に作ることができるサービスです。下記がPower Appsの特徴です。
Power Appsの特徴!
- ローコードでアプリやフォームを開発します。
- Teamsのタブでチームで共有できます。
- Excel、Sharepointリスト、Dataverseなどの既存のビジネスデータをデータソースとして活用できます。
- コンピュータプログラミングの経験がない方でも簡単に学ぶことができ、直感的に始めることができます。
- Excelライクな関数を使います。
- Power Appsを利用するユーザはAzure ADに登録されている必要があります。つまり不特定多数への外部公開するようなアプリの作成はできません。
- PC・スマホ・タブレットなどのデバイスに縛られないデザインが自動的に適応されたアプリを作れます。(レスポンシブ対応)
Power Appsは3つのタイプのアプリが作成できます。
Power Appsでは以下の3つのタイプのアプリが作成できるよ!
Power Appsの3つのアプリタイプ!
- キャンバスアプリ
- モデル駆動型アプリ
- モバイルアプリ
3つのアプリの個別解説はこちら!(記事準備中です。)
Power Apps for Teamsとは?
Power Appsは有料だけど、無料版がTeamsアプリとして公開されているよ!
Power Appsは通常有料のライセンスが必要ですが、Power Appsのライセンスを持たない場合はTeams上で動作する一部機能を限定したPower Apps for Teamsを利用することができます。Power Apps for TeamsはMicrosoft365ライセンスがあれば利用可能です。
Power Apps for Teamsの制限
- キャンバスアプリのみ作成が可能。
- 無料版Dataverse(Dataverse for Teams)が利用可能だが通常のDataverseよりもデータサイズに制限がある。
※Dataverseとは?については↓の方で解説しているよ。
Power Apps おすすめ書籍
▲Power Appsを始めるならこちらの書籍がおすすめです。実際の様々な業務を想定してハンズオン形式で解説しています。そのままコピペすればどんなチームでも使えそうなアプリが揃っています。
(2)Power Automateとは?
Power Automateはビジネスプロセスをローコードで自動化するためのサービスです。
Power Automateの特徴!
- アプリやサービスをトリガーにして自動化フローを起動できます。
- スケジュールに基づいて自動化フローを起動できます。
- テンプレートを使えば手早く自動化フローを作成できます。
- マウス操作のみの直感的な操作でローコードで自動化フローを作成できます。
- Azure Logic Appsと同じ関数が使えます。
- Microsoftのサービス用コネクタはもちろん、Google、Twitterなどの外部サービスのコネクタも豊富に利用できます。
Power Automateについては個別の記事にて解説しております。その他の特徴や活用事例については下記の記事をご参考になさってください。
Power AutomateとPower Automate for Desktopはどう違うの?
Power Automate for Desktopは、Power Automateに含まれる機能のひとつです。Power AutomateにおいてRPA機能(デスクトップフロー(旧UIフロー))を担当するのがPower Automate for Desktopです。このためPower Automate for DesktopもPower Platformに含まれると言えます。
Power Automate学習教材
▲Kindleと紙媒体両方提供されています。デスクトップフロー、クラウドフロー両方の解説がある書籍です。解説の割合としてはデスクトップフロー7割・クラウドフロー3割程度の比率となっています。両者の概要をざっくり理解するのにオススメです。
▲Power Automate for Desktopの基本をしっかり学習するのにオススメです。この本の一番のメリットはデモWebシステム・デモ業務アプリを実際に使ってハンズオン形式で学習できる点です。本と同じシステム・アプリを使って学習できるので、本と自分の環境の違いによる「よく分からないエラー」で無駄に躓いて挫折してしまう可能性が低いです。この点でPower Automate for desktopの一冊目のテキストとしてオススメします。著者は日本屈指のRPAエンジニア集団である『ロボ研』さんです。
▲Power Automate クラウドフローの入門書です。初心者の方には図解も多く一番わかりやすいかと個人的に思っています。
Microsoft 365/ Power Automate / Power Platform / Google Apps Script…
▲Udemyで数少ないPower Automateクラウドフローを主題にした講座です。セール時は90%OFF(1200円~2000円弱)の価格になります。頻繁にセールを実施しているので絶対にセール時に購入してくださいね。満足がいかなければ返金保証制度がありますので安心してご購入いただけます。
(3)Power BIとは?
Power BIとは、組織内外の膨大なデータを視覚的に可視化・分析するサービスです。様々なデータの見える化(可視化)を簡単に実現して各所で活用できます。
Power BIの特徴!
- 直感的に見やすいダッシュボードやレポートをマウス操作だけで簡単に作成します。
- 様々な組織内外のデータソースと接続することができます。
- 作成したダッシュボードやレポートは、Webに公開したり、Power Pointにエクスポートしたり、Teamsタブに共有したり様々な方法で活用できます。
Power BI公式ページ
データの見える化のメリット
なんで「見える化」した方がいいの?
下記のようなメリットがあるよ!
データの見える化のメリット
- データから気づきを得やすい
- 共有がしやすい
- 意思決定がしやすい
Power BI Service(web版)とPower BI Desktopの違いは?
下記はMicrosoftのエンジニアさんに質問したときの回答です。
「Power BI Desktop」はそのままWindows PC上でBIダッシュボードを開発したり、閲覧したりするためのものです。「Power BI Service(Web版)」はクラウド上にBIダッシュボードを展開するためのサービスで、Power BI DesktopからエクスポートしたものをPower BI Serviceで利用できます。
(4)Power Virtual Agentとは?
Power Virtual Agentは、データサイエンティストや開発者でなくてもガイド付きGUI(グラフィカルインタフェース)を利用してローコードでチャットボットを開発できるサービスです。Microsoftではチャットボット(bot)を仮想エージェントと呼んでいるみたいです。
Power Virtual Agentの特徴!
- 顧客の要求に自動で答えるチャットボット(仮想エージェント)を作成できます。
- Power Automate を使って数百のサービスやシステムと簡単に接続できます。
- チャットボットのパフォーマンス向上のために分析機能を利用できます。
- データサイエンティストや開発者でなくても簡単に作成できます。
AIや自然言語処理の専門家でなくても少ない学習コストで簡単にチャットボットを作成できるよ!
Power Virtual Agentを使ってみた。
実際にAIの知識ほぼゼロの私が簡単なチャットボットを使ってみたよ。良かったら見て。
▲過去の記事でチャットボットを作成する基礎の基礎を解説しています。宜しかったらご参考になさってください。
Power Platformのその他の構成要素
Power Platformには上記の4つのサービスの他に、下記の重要な構成要素があります。
Microsoft Dataverse(旧Common Data Service)
Microsoft DataverseはPower Platformに最適化されたデータベースです。昔はCommon Data Service(CDS)という名前でしたが名称が変更されました。
AI Builder
AI Builderは簡単にAIモデルを作成できるツールです。AI Builderを使ってPower AutomateやPower Appsに簡単にAIを組み込むことができます。
AI Biulderの機能の例
- フォーム処理
- 物体検出
- 予測
- テキスト分類
- 感情分析
データコネクタ
データコネクタはPower Apps、Power Automateで利用できる外部サービスの連携用の部品のようなものです。Slackコネクタ、Youtubeコネクタ、Yammerコネクタなどなど現在400近くのコネクタがあります。(データコネクタはAzure Logic Appsからも利用できます。)
良くある質問
Power AppsとPower Automate どう違うの?
Power AppsはUI(画面)を持つWebアプリを作成できます。Power Automateはビジネスフローを自動化するツールのためWebアプリケーションを作成することはできません。Power AutomateにWebアプリUIはほぼありませんしUIのカスタマイズはできません。
Dataverseは、どのMicrosoft365ライセンスでも利用できますか?
一部のMicrosoft365ライセンスでは、Power Appsなどの専用ライセンスがないとDataverseを利用できません。機能が制限されたTeams上で利用可能なDataverse for TeamsはどのMicrosoft 365ライセンスでも利用できます。
Power AutomateとAzure LogicAppsの違いは何?
下記はMicrosoftのエンジニアさんに質問したときの回答です。
Logic AppsはAzure上でのフロー作成に特化しており、主にシステム運用の自動化などを想定して作成されています。それに対して、Power Automateは業務プロセスの自動化を目的としており、Power Platformとして他のサービスと統合した形で提供しております。Logic AppsはAzureに依存している部分が多く、利用のバリアが高い場合が多いので、一般の業務担当者レベルでの通常業務の自動化には、Power Automateをお勧めします。
Power Platformは個人利用できますか?
Power Platforrmを利用するにあたってはMicrosoft企業アカウントが必要です。ただし、Power BIは個人利用ができます。
補足:「PL-900: Microsoft Power Platform 基礎」を受験なさる方へ。
PL-900試験では、下記の単語については旧名称と新名称の両方を抑えておいた方が良いとのことです。試験内容がアップデートされましたら新名称に統一されるかと思いますが現時点で受験される場合はどちらの名称も抑えておくと良いかなと思います。(2021年12月15日時点)
旧名称 | 新名称 | |
---|---|---|
サービス名称 | Common Data Service | Microsoft Dataverse |
Dataverseに関する用語 | エンティティ | テーブル |
Dataverseに関する用語 | フィールド | 列 |
Power Automateにおける3種のフロー名称 | ワークフロー | クラウドフロー |
Power Automateにおける3種のフロー名称 | UIフロー | デスクトップフロー |
Power Automateにおける3種のフロー名称 | ビジネスプロセスフロー | ビジネスプロセスフロー(変更なし) |
まとめ
以上、Power Platformの概要について解説しました。
このブログではRPA・ノーコードツール・VBA/GAS/Pythonを使った業務効率化などについて発信しています。
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